2023年7月26日リリース
J-ABSの「ベースボーラーシップ™教育メソッド」をJICAが採用
慶応大野球部員をアフリカ・ガーナに派遣し、人材育成に活用
慶大-ガーナ大学の研究協力により「野球の社会的価値」の証明へ
この度、慶應義塾大学と独立行政法人国際協力機構(JICA)は、7月25日にJICA竹橋本部にて海外協力隊派遣連携覚書を締結し、2024年から3年間、同大学体育会野球部員を中心に夏休み時期に毎年10名程度、西アフリカのガーナ共和国にJICA短期ボランティアとして派遣する運びとなりました。そして、現地での活動は、日本の野球の伝統である「規律」「尊重」「正義」といったスポーツマンシップを育む人づくりをアフリカに展開している一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構(J-ABS/ジェイ・エイブス、代表理事:友成晋也)が有する「ベースボーラーシップ™教育メソッド」を活用することを発表しました。
J-ABSは、友成代表理事のアフリカにおける足掛け28年の日本型野球指導の経験を土台に、野球を通じてスポーツマンシップを育む人材育成手法を「ベースボーラーシップ教育メソッド」として開発しました。これまでアフリカ6か国で10回セミナーを開催し、のべ350人の野球・ソフトボール指導者が受講しました。WBCで世界一になった日本野球のスポーツマンシップが学べるとして、そのコンテンツが各国で高く評価されています。慶大とJICAはこの実績を評価し、JICAボランティアの活動に同メソッドを採用することになったものです。
2024年から派遣される同大学野球部員らは、これまでJ-ABSのセミナー等を通じ「ベースボーラーシップ教育メソッド」を学んできたガーナ人指導者をカウンターパートとしてチームを組み、活動対象となるガーナ国内3州の青少年を対象に、青少年の野球技術向上とともに、非認知能力(ライフスキル)を育む指導を行います。
また、慶大は、ガーナ大学と研究協力を行い、「ベースボーラーシップ教育」が裨益者にもたらす効果測定を長期にわたって行う予定です。これにより、野球が人材育成につながる具体的なエビデンスの収集が期待され、野球の社会的価値や意義を、日本はもとより世界に示すことになることが期待されます。
J-ABSのエグゼクティブ・ドリームパートナーである松井秀喜氏は、この事業について、次のコメントを寄せています。
「松井秀喜です。J-ABSのアフリカでの人づくり野球の活動に協力しています。大リーグでプレーした経験から、日本の野球の良さを実感しています。日本の野球で育った現役の大学の野球部員がJICAボランティアとしてアフリカで活動することは、アフリカにとっても、学生にとっても価値があることだと思います。現地での活躍に期待しています。
また、人づくり野球の効果測定は、野球の社会的価値を示す意義がありますので、研究の成果にも注目していきたいと思います。
■ベースボーラーシップ™教育とは
J-ABSが独自に開発した、野球・ソフトボールの指導を通して青少年少女の「規律・尊重・正義」などの精神を育む教育メソッド。「ベースボーラーシップ™」は英語のBaseball(野球)+Sportsmanship(スポーツマンシップ) をかけ合わせたJ-ABSの造語。
同メソッドは、「ベースボーラーシップ教育55の柱」と題した教本(英語版、フランス語版)とパワーポイント224枚のスライドを活用してセミナー形式で行うもので、14時間(2日間)かけて行う基礎コースと、5時間かけてグループワークを行う実践コースの2種類がある。
2022年5月から2023年5月までの期間で、ガーナ、ナイジェリア、ケニア、南スーダン、タンザニア、ベナンの6か国にて開催し、のべ約300名が受講。受講者アンケートでは、各国平均90%以上の受講者が、セミナーの内容に、100%もしくはそれ以上に満足したとの結果が出ている。
J-ABSが展開する「アフリカ55甲子園プロジェクト」のメインコンポーネント。
■慶大―ガーナ大学の研究協力について
慶大野球部員がガーナに派遣され、ベースボーラーシップ教育を活用した野球指導により、裨益者の選手やガーナ人コーチたちにどのような効果をもたらすかについて、慶大SFC研究所ベースボールラボとガーナ大学(スポーツ局ベラ教授)が研究協力協定を締結し、長期にわたって効果測定を行っていく計画。これにより「野球」が人づくりにどのような効果をもたらすのか、学業成績、進学率、人格形成、就職率、収入、人生の幸福度などへの影響を研究していく予定。
【効果測定研究協力に関するお問い合わせ】
慶應義塾大学SFC研究所ベースボールラボ代表 加藤貴昭
e-mail:baseball@sfc.keio.ac.jp
■アフリカ55甲子園プロジェクトとは
J-ABS が進める主軸事業。アフリカの54か国と1つの地域を対象に、野球を通じた人づくりと競技の普及を目的に、アフリカ各国で全国大会(甲子園大会)開催を25年計画で広げていくプロジェクト。主に以下3つの活動を行う。
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グラウンドの整備方法や野球道具の支援などプレー環境の整備を支援
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野球の技術に加え、スポーツマンシップを育む日本型野球の指導方法(ベースボーラーシップ教育)を普及
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甲子園大会のような国内大会を各国で開催し、目標を持って挑戦する機会の提供
ガーナにおけるアフリカ55甲子園プロジェクトは、2024年の慶大野球部員による②の活動を行い、2025年の第一回ガーナ甲子園大会の開催を目指します。
これまで、タンザニア、ガーナ、ナイジェリア、ケニア、南スーダン、ベナンの各国野球・ソフトボール連盟と「ベースボーラーシップ教育パートナーシップ協定」を締結し、事業を開始。各国のク来ない大会は、タンザニアが昨年12月に第10回大会を開催。今年の8月には、ケニアで第一回大会が開催される。ガーナ、ナイジェリアでは、2024年以降の開催を予定。
一般財団法人アフリカ野球・ソフト振興機構
〒160-0023 東京都新宿区西新宿3-3-13西新宿水間ビル6F
Phone 03-6777-0052(9:00〜17:00 土日祝日除く)
【取材のお問い合わせ】
報道担当:浦野英一 Email:pr@j-absf.org
*日中はメールでご連絡ください。
急ぎの場合のみ:080-9802-7778
■「アフリカ55甲子園プロジェクト」
J-ABS が進める主軸事業。アフリカの54か国と1つの地域を対象に、野球を通じた人づくりと競技の普及を目的に、アフリカ各国で全国大会(甲子園大会)開催を25年計画で広げていくプロジェクト。
主に3つの活動を行います。
1. グラウンドの整備方法や野球道具の支援などプレー環境の整備を支援
2. 野球の技術に加え、スポーツマンシップを育む日本型野球の指導方法を普及
3. 甲子園大会のような国内大会を各国で開催し、目標を持って挑戦する機会の提供
今回、ナイジェリアでは、上記2.として人づくり野球セミナー、元日本メジャーリーガー(松井秀喜氏、川上憲伸氏)による遠隔野球技術指導、人づくり野球協力協定締結を行うほか、上記1.として東京2020オリパラのホストタウンであった千葉県木更津市からの野球道具寄贈式などを実施する予定です。